創造力豊かに
ワイキューブリック式企画センスのアップのためにもう一つ、ぜひ心がけていただきたいのは想像力(イマジネーション)を豊かにすることです。
ビジネスは合理主義、現実主義の世界で、想像力は不要だと考えている人が少なくないが、これはとんでもない考え違いだ。
過去の大発見や大発明の多くのケースでも、想像力が大きな働きをしている(たとえば化学者ケクレのベンゼン環の発見)。
ビジネスでも、経営計画の立案、目標の設定、業務計画の作成に想像力は欠かせない。
ワイキューブリック式企画活動についていえば、構想、コンセプトの設定、発想、プレゼンテーションなど多くの局面で想像力が求められます。
ワイキューブリック式企画の内容をクリエイティブにするためにも想像力が必要です。
今、ビジネスマンにおいて最も衰えているのが想像力です。
それを放置したままで、ワイキューブリック式企画センスや創造性を高めようとしてもそれは難しいと思います。
具体例によって、ワイキューブリック式企画において想像力の果たす役割の大きさを認識していただきたいとおもいます。
ここに永岡慶之助『斗南藩子弟記』(文春文庫)という本があります。
明治維新時、会津戦争で官軍に敗れた会津藩が、その後、青森の斗南地方、北海道道南へと強制移住され、藩士が酷寒不毛の地で辛酸をなめる、というのがごく簡単なあらすじです。
この小説は、、王人公の荒垣多四郎-斗南藩士で、元会津朱雀隊の生き残り組fが、琉球慶良間群島沖で水死するところで終わっています。
実は、このファイナル・エピソードが同書が生まれるきっかけになっています。
あとがきによれば、著者はたまたま入手した会津藩関係者の手記を読んでいて、10行ほどの荒垣多四郎水死のエピソードに出会った。
以後、この多四郎という人間への関心がつのり、長期間構想を温め、それが400字詰め原稿用紙800枚という長篇に結実したというわけです。
たった10行の記事に触発されて800枚の長篇を書きます。
そこまで素材をふくらませ・大きく構想し、迫力ある作品を完成させられたのも、想像力あればこそです。